クロラット=ジオ=クロックス KURORAT=JIO=CLOCKS |
本作で一番ワリを食った主人公。まがりなりにも原作で「作品の象徴」とまで言われたひとなのに…… 書き難いからハブられたわけではない。断じてない。 出番自体は多めだけど活躍は地味め。やっぱあぼーんイベントがないとクロラットはキャラクターとして昇華されないよねー。でもこの話は最初からあぼーんイベントなしで固まってたのでファンのひと我慢してください。 グレイナインのピンチに颯爽と登場するまではカッコ良かったのだが、VSジャッジにおける華々しさはグレイナインに完全に喰われてしまってたり。心理描写以外ほぼ原作通りな展開なので、そのあたりが印象薄な要因かもしれない。むしろありゃジャッジの見せ場だったなぁ…… あとこの話ではクロバードの身体を使って復活する、という設定がないので、彼は継ぎ接ぎボデーのまま暗黒シティ最終戦争に臨むことになりそうな感じ。うむ、我ながら無茶だ。でも死んでるよりはマシのはずとフォローしておく保険。 |
カタナ=シラバノ KATANA=SHIRABANO |
ボロボロになった他二人に対し、まともに怪我すらしなかったというネ申の寵愛を受けた娘さん(笑)。でもある意味究極のリストカッター。 カタナVSキィのエピソードこそが、この"brilliant tales"で最も書きたかった部分でした。過去の自分との対決、自己否定と自己肯定、というテーマは三主人公共通のものでしたが、ここに孤独な自傷連鎖という味付けが加わるとあら不思議、ばっちりワタクシ好みの話に。実際最初に走り書きしたシーンもここだったし。 内包したテーマ・ドラマはクロラットあぼんイベントに匹敵するものがあるはずなのですが、私の描写力が追い付いてないのが無念です。努力はしたよ。いや楽しかったけどね、書いてて(笑)。カタナさんを必要以上にでしゃばらせるとこういうことになる、という良い(悪い?)見本でしたー。 クロラットとは対極、と原作では評されていましたが、個人的にはむしろ似たもの同士だと思います。 |
グレイナイン GRAYNINE:K:DREAMGOLD |
本作におけるスーパースタイリッシュヒーロー。 出番自体はそれほどでもないのですが、一つ一つの尺が長めに取ってある上おいしいとこ取りなので実質的にはクロラット氏を上回る雄度だったのではないかと(笑)。 クロラットあぼーんがない以上、原作とは違う形で『真の主人公』としての部分を書かなければならなかったので、結果としてそうなった感じです。ギャグもシリアスもボケもツッコミもカッコ良くも可愛くもなれるあたりスペック高いぞグレイナイン。ういやつ。 と言うかぶっちゃけ三位一体攻撃シャインスパーク(仮)がやりたかっただけですが。アテナ・エクスクラメーションでも可。 よーするに鰤照は基本的にそういう昔のジャンプ的なノリを重視してますよという話(笑)。 DGコアとの接触、黄金探偵覚醒の一連のイベントは当初の予定よりかなり出来の良いものになった感じで個人的には満足です。……まぁ、そのおかげで4話のサブタイトルが「キィ」なのにキィの独白が見事に霞んでしまうというしょっぱい事態になってしまいましたが……(あの引きで「Panance」って明らかに合ってないorz) |
1/ ラスト・ダンスV 「夢の終わり、偽りの想い出」 |
最初の話。前半は本編26話ラスト部分のノベライズ。(だからVなのですよ) 改めて文章に落としてみると見えてくる真実があったりなかったり? 『シナリオ分岐』の意味に関しては諸説ある──と言うか個人個人で解釈がまちまちなようですが、私の場合は単純に選択肢間違いとか好感度不足とかで分岐かなぁ、と思いまして、このような形になりました。 わかりやすく言うとこういうこと↓ ・去り行く二つの背中……それを、自分は──── ニア1.先生を追う 2.マスタを追う 3.どちらも追えない ただし好感度が足りてない場合は1番と2番の選択肢は出ないぜ、みたいな。 実はもう一ヶ所分岐も考えておりましたがグレイナインがあまりにも空気になってしまったので(笑)没にしました。再会シーンもロマンティックになるしね! ちなみにプロット段階ではこの話は2話に分かれていたんですが、ボリューム的な問題で1話にまとめられてしまいましたとさ。いや、意外とそんなん多いですけどねこのシリーズ…… |
2/ ターニングナイト 「それでも誰かを好きになる」 |
"brilliant tales"全体のテーマを一番ストレートに象っている話。そりゃもーこれだけ読めば他の話いらなくね?ってくらいに。(…) 駅での再会シーンは作中屈指の名場面じゃないかなー、と自画自賛するだけあって全体的にポエミーな出来。 ちなみに各話毎についている副題すべて「天使のいない12月」というゲームのBGMの曲名になってます。(何のゲームか知らなくてもググってはいけない) と言ってもイメージ的にはこの話以外はあまり合わないですが。 あとタイトルの「ターニングナイト」はダブルミーニングですね。分岐点(turning point)のある夜、という意味と、戻って来る、という意味でのturning。 最後のファンエンとトモエの部分は本当は入れる必要のないシーンなのですが(余韻としても、話の展開としても)、ファントモの掛け合いを書きたい一心で入れてしまいました。 ……うん、本当にこの話、とことんまで趣味の産物だったんだネ。 |
3/ 大暗黒祭二日目T/グレイナイン 「a half pure mind」 |
直前までのポエム話から打って変わって燃え展開、……を、目指しました。 『黄金の夜(ドリムゴード)』という単語が頻出し、ルビ振るのがとっても面倒だったのはここだけの秘密だ。 グレイナインVS市長、原作では最後の戦いとなった展開ですが、あえて早々と持ってきました。グレイナインに黒コート着せるかどうかは最後まで悩んだのですがその後の展開も考え結局見送りに。て言うかクロすけコートないと寒そう。 グレイナインのくろかたマンセーっぷりは我ながら書いててどうかと思った。原作でもそうなんですけど、あの、Bエンディングを見てからAエンディングを見ると、なんだ、そのへん微妙にグレイナインの生々しい部分があるよーなないよーな。まぁヤツはそのへんまで含めて『まとも』なキャラだと思うわけですが。(あくまでも比較的、ですけどね) ジャッジは戦いを通してグレイナインの意志の強さを認めた感じです。その主張には絶対に頷けないけど、君の生き様は否定しないぜ、みたいな。……む? こう言うとジャッグレっぽい? あとクロラット氏はたぶんここで登場したときが一番輝いてたときだったよ(笑…えねぇ)。 |
4/ 大暗黒祭二日目U/クロラット 「永遠よりも彼方から」 |
いろいろネタばらしの回。この話からころころ視点切り替えが入って進行が速いです。原作は漫画なので違う場所での同時進行もわかりやすいんですが、小説形式ではなんともはや……けっこうあちこち時間が前後してるんですが、果たしてちゃんとわかってもらえているのか。 最後のクロラット視点まではこれと言って問題なく進んでいたのですが、あの場面になったとたん市長もクロラットも動かなくなって参りました……ジャッジはどっちかって言うと書きやすい部類なんですけどね。 戦闘描写がグレイナインとほぼ同じパターンになってしまうのもまったく困った話なのですが、クロラット氏とジャッジの確執に焦点を当てて書こうと思ったらもー全然わかんなくて途方に暮れてしまいました。結局そっちのテーマは後回しにしてカタナさんへの想いの方へズームイン。あとはバトルで誤魔化せ戦法。 まぁ、そんなこんなでこの時点一番長い話になったわけですけどね。 |
5/ 大暗黒祭二日目V/キィ 「Panance」 |
各々の戦う決意。しかし最後のグレイナインが独自展開なことも手伝ってほぼ一人勝ち態勢。メインはキィなのに! クロラット氏の数少ない燃えどころなのに! キィは描いてて最も楽しいキャラクターですね。思わずやりすぎて収集付かなくなったりならなかったり……薄幸っ娘っていいよね! ところでクロラットメインの流れ、内容自体は原作のものと同じなのですが、小説形式で書くとエイデンの天井と会話するクロラット氏はたいへんアイタターな感じでございました。ヤバイ、まるでひとには見えない妖精さんが見えてるひとみたいだ……! ……ちなみにこれでも修正後で、最初に走り書きした時はもっとアレだったり。地の文での設定関連を説明できるのとこってりとした心理描写をやれるところが小説の強みだと思っていますが、やはり違う視点での同時進行はツライですね。でも同時進行させないと次の話で三人同時攻撃ができない(´・ω・`) |
6/ 大暗黒祭二日目W/カタナ 「世界の終わりで待ってる」 |
「この話のために鰤照がある」と言ってもおおよそ間違ってはいない一話。正しくはこの話と次の話ですが。 鰤照におけるヒロインはキィだとあえて断言したい。ヒーローはカタナさん。なんだそりゃ。 以前雑記でも触れましたが、キィは29話の慟哭で一気に好きになったクチです。それまでは特にどうとも思わず、カタナさんと同一人物と知った時も「あーなるほど」くらいしか思わなかったのですが……最後の最後、自分自身に否定されて初めて、人形としての殻が壊れて心を剥き出しにするというシチュエーションにドツボを突かれたという。本音を曝け出せる相手が自分自身だけとか何それすげー萌えるんですけど! SIDE:Bではそのまま消えてしまったので(※5巻発売前)、そんな彼女に何か救いを、と思って出来たのがこの話での対決でした。鰤照でもっともはっちゃけたキャラクター。これが愛の力よ! この作品に限らず、筆者はSIDE:Bの存在を必要以上に重視してます。有無を言わさずあの鬱エンドを食らわされた本誌派の衝撃は深いぜ? カタナ=シラバノのあるべき運命、というのは、本来はああいうのなんだろうなぁ。あとジャッジも見所ですよ。 ちなみにここで書かれた灰色の聖書は言うまでもなくオリジナルですが、けっこう気に入ってたりします(笑)。演出的なインスパイア元は原作でのシラバノビル最終戦。あのシーンは今読んでもゾクゾク来るくらい燃える……! |
7-a/ ゴードナイト・ゴーズバイ -イコール=パート- |
決着。 1話あたりから張っていた展開上の布石(これも伏線と言っていいのかしらん?)が地味に回収されてたりするんですが気付いてもらえてなかったらいと悲し。 「それじゃあよろしく。今日から〜」という台詞は、実は1話ですでに出されています。ピンときてくれたひとだいすき。 1話の時点で「ここは原作にある台詞を使った方が良くね?」と思わせておいて、この話で「ここに繋がるのか!」とすっきりさせたい、という二次創作ならではの狙いがあったのですが、およそ上手くいった気はしねぇ…… |
間奏/ ゴードナイト・ランナハイ |
オールスター総進撃。ジャンプ的王道展開。原作では2Pで流されましたが、ちゃんと書けば燃え話になるはず……!と信じて。原作のラストバトルのあたりは大人の事情のせいか燃え成分が足りないとおもう。 当初の予定では原作で台詞付き再登場を果たしたキャラ達(シャド、ホムロ、セフィ、ヴィオ)の見せ場のみになる予定だったのですが、アイデアを練ってるうちにノッてきて「どうせだったら書けるだけ書いてしまえ」と無謀発車してしまった次第。今は反省している。 ちなみに「またファントモかよ(´A`)」と思われた方もいるかもしれませんが、最初の予定ではトモエと共闘するのは原作の通りユニックスの役目でした。しかしその後に続く予定だったファンエン話まで書き終わった後、ようやく渡貫はユニがその直前のエピソードでクロラット運搬を引き受けていたことを思い出したのであった……! 結局ファンが採用され、何気に鰤照の中ではユニより活躍しているという詐欺っぷり。まぁ、一夜限りの共闘とか書いてて楽しかったので私はいいんですけどね! そしてエトさんは本当に美味しいとこ取りに特化したキャラクター付けだと思う。ほら、だって、やっぱり締めの部分には相応の箔が必要じゃないですか! 一人いるとすげー便利ですよ作劇的に。 |
7-b/ ゴードナイト・ゴーズバイ -クロス×パート- 「星ばかり見ていた」 |
舞台の終わり。実質的なエンディングはここで、最終話はエピローグ的な位置付けですね。 鰤照を読み解く上で、作中独自的に起こった出来事・クロラットやカタナの思考変化は、起点である1、2話があってのものと考えて欲しい所存です。 クロバード時代に彼らが一度出会って(?)いた……というエピソードは、もともと別のSSのネタとして考えていたものでした。分岐・再構成の範疇からは完全に逸脱した話になってしまうのですが……まぁ、うん、とっかかりがなかったんだよ_| ̄|○ 数行書くごとにガス欠を起こすほど執筆が滞ったいわくつきの一話。後ろに進むほど描写がおざなりになっているのは本当に見逃していただきたい。まぁ、最初期のプロット(5巻発売前)ではカタナのDGシステム破壊→呼びかけに手を伸ばしホワイトアウト、までしかなかったからなぁ。 そんな中で気に入ってるのは、グレイナインとジャッジの部分だったり。即興で思い付いたわりには綺麗に纏められたと思うのですがどうでしょうね? それだけに以降の部分がテーマ的に蛇足っぽい気がしないでもないけど。まぁ、グレイナインとジャッジで締めるのもなんですしねー。カタナHRを最終話でばらすと、第一話での奇跡云々と話が繋げられないというのもあったり。 |
fin/ 終章は青空と共に 「天使は自転車に乗って」 |
もっと他にタイトルはなかったものか。 鰤照もついにラスト、前回から一年後の後日談です。執筆に時間かかりまくっているわりに大した話ではない。(単に放置期間が長かっただけ) クロラットとカタナについては前回までで語り尽くした感があったため、グレイナイン+エトをメインに据えるという暴挙を敢行するわたし。鰤照における真の主役と裏の主役、という意味でこの二人は対なのです。(自分的には主役と主人公もまた違う意味付けだったり) 一時期何を血迷ったか「前回から今回までの一年の間にクロラットあぼん、グレイナインはBエンド同様クロラット=ジオ=クロックスを継ぎカタナに見送られて外へ旅立つ」などという斜め上なプロットも存在したとか何とか。はじめのうちクロ・カタナの存在がまったくなかったり、二人の話題に触れたとき一瞬しんみりモードになったりするあたりにその名残が見て取れる……かも? 世間に迎合して(?)微妙にユニグレっぽい描写も入れてみたりしましたが、結局ジャッジから手紙もらったりと何だかよく分からない結果に。あ、ちなみにこの手紙ですが、別に深い意味はありません。内容は普通にジャッジからの応援してるんだか馬鹿にしてるんだか分からないメッセージが書かれてるだけです。 |
──── Chapter if "brilliant tales". |
真相……? テーマ的には完全に蛇足、ストーリー的にはいらない子。そもそも読み手に理解できるように書いてないという、完璧な自己満足。 この部分と対になるとゆープロローグが、実は某サーチエンジン様のサンプルウィンドウで見られるということを知っているひとはあまりいないと思う。まぁ、そっちもたいがいポエムだともっぱらの噂ですが。 |